プロ野球は来季試合増か 観客動員上限緩和先送りで現実味
24日、NPB(日本野球機構)はJリーグとの合同で行う新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。現在の観客動員上限5000人の緩和について専門家チームの賀来座長は、「今すぐ(収容人数の)50%まで増やせるかは、少し厳しいという判断をしている」との見解を示した通り、その後に西村経済再生担当相がイベントなどの5000人の上限期間を8月末から9月末に延長すると発表した。
そうした中、NPBの斉藤コミッショナーは会議後の会見で、世間のコロナ感染者に対する差別意識について言及。「人権を無視する偏見だ」などと訴えた。
当初は、8月1日から観客数の上限を収容人数の50%に緩和する予定だったが、感染リスクが高まる観客増を強行するわけにもいかない。斉藤コミッショナーの発言は、好転の兆しが見えない現状への嘆きでもあるのだろう。
コロナ禍が終息せず、仮に観客動員数が上限5000人のままシーズンを終えることになれば、12球団の損失はさらに大きくなる。年間300万人を動員する巨人や阪神は今季の年間動員数が最大30万人となり、入場料収入は前年の10分の1に目減りする。両球団のような資金力があるチームはまだしも、もともとの収入が少ない球団は経営危機に直結する。