ドラフト“何位縛り” 裏で糸を引く社会人チームの手練手管

公開日: 更新日:

 彼らは明らかな1位候補やドラフトの目玉になりそうな選手にはまず目を付けない。素材はバツグンなのに力を発揮できない、ここを直せば大化けするかもしれないといった選手に早い段階で声を掛ける。そういった手法をとるのは社会人の中でも大企業に多い。

 大学の監督にしてみれば、社会人チームとのコネクションは何より大切だし、教え子が大企業に“就職”できるのは大歓迎。指名の保証がないプロを待つ以前に、有名企業の社会人を受け皿にしてしまうのだ。

 しかし、春先にいまひとつで社会人を受け皿にしていた選手が、夏から秋にかけて急激に伸びてくればプロも放っておかない。大学の監督にしてみれば、選手の受け皿になってもらっている社会人チームに義理立てする意味でも、評価が低ければ社会人入りというスタンスをとることになる。

「ただし、選手自身はプロに行きたいケースが圧倒的に多い。社会人チームや大学の監督の都合はともかく、本人は自分の力をプロの世界で試してみたいと思っているはずだ。突破口があるとすれば本人だからな!」

 部長は電話口の向こうでこう言った。

 せっかくゴルフの腕を上げるチャンスと思っていたら、とんだ難題を抱えることになった。

(プロ野球覆面スカウト)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  3. 3

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  4. 4

    吉村知事の肝いり「空飛ぶクルマ」商用運航“完全消滅”…大阪万博いよいよ見どころなし

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    大谷ファンの審判は数多い あいさつ欠かさず、塁上での談笑や握手で懐柔されている

  3. 8

    小泉進次郎の“麻生詣で”にSNSでは落胆の声が急拡散…「古い自民党と決別する」はどうなった?

  4. 9

    ドジャース地区連覇なら大谷は「強制休養」の可能性…個人記録より“チーム世界一”が最優先

  5. 10

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ