大相撲合同稽古が不人気 望んだのに関取たった3人の謎解き
日を追うごとに関取の数が減っている。
両国国技館の相撲教習所で行われている合同稽古。22日の関取の参加者は平幕の北勝富士、阿武咲、霧馬山の3人だけだった。
初日は両横綱ら13関取が集まったが、十両と幕内を合わせて関取は70人いる。今年はコロナ禍により出稽古が制限され、力士たちも「出稽古の解禁を!」と訴えていた。そこで協会は来年1月場所前に合同稽古を実施したものの、肝心の関取衆が足を運ばないのだ。
三役経験者の親方は「彼らも稽古をしたくないわけじゃない」と、こう続ける。
「そもそも、いまの時期からバンバン出稽古をやる力士なんて、ほぼいない。本場所まで間があるし、いまはまだ基礎稽古の期間ですよ。そうやって足場を固めて、場所直前に出稽古で最終調整をするのが恒例です。いまから合同稽古で相撲を取り続けたら、若い力士はまだしも、ベテラン勢は年明けくらいにどっと疲労がやってくる。それこそ調整に悪影響が出てしまいます」
もちろん協会もそんな事情はわかっているだろうが、場所直前に合同稽古を行って、新型コロナウイルスの感染者が出たら一大事。関取衆の大半が休場なんてことになりかねない。
「初日だけ顔を出した照ノ富士らのように、合同稽古でいい感触をつかんだまま、部屋で稽古というやり方もある」とは、前出の親方だ。