プロ野球キャンプ「緊急事態宣言」でも南国で開催のナゼ

公開日: 更新日:

「それでも従来通りのキャンプを行う理由は主に2つ。まず、『これは長年の慣習だから』と、プロ野球サークルのほとんどの人たちが変えたがらない。特に昔は親会社から出向のフロントが多かった。彼らにしてみれば、何か新しいことをして、それが失敗したときの責任を取りたくないのです。もうひとつは監督、コーチが新人とベテランを手元でチェックしたいからです。新人は何かあったら困るし、ベテランは手を抜いてないか監視するためです」

 しかし、それならば本拠地でキャンプをやっても同じだろう。自宅通勤にすれば、集団感染のリスクは減る。設備にしても本拠地球場ならば何の問題もない。

「少なくともプロ1年目のルーキーと、ベテランを同じ日程でやらせる必要はありません。私がオリックスにいた頃、『ベテランは4クール目くらいから合流でいいのでは』と提案した。最初はベテラン選手も『それはいいですね』と賛成してくれたが、やっぱり初日から参加したいと。『家にいると子守りをさせられて大変』というのが、その理由でしたけどね(苦笑い)」(前出の井箟氏)

 暖かい南国でやった方が動きやすいという選手もいるだろうが、現在はオフの自主トレが重視されている。なまった体でキャンプインする選手は皆無に近い。温暖な気候だと体がよく動くと勘違いし、逆にケガにつながるケースもある。

 井箟氏は「数十年前から変わらない、日本式のキャンプを見直す必要がある」と語る。コロナ禍でも慣習にとらわれている12球団は耳を傾けるべきだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    セクハラだけじゃない!前監督が覚悟の実名告発…法大野球部元部長、副部長による“恫喝パワハラ”激白180分

  5. 5

    仁義なき「高校野球バット戦争」…メーカー同士で壮絶な密告合戦、足の引っ張り合い、広がる疑心暗鬼

  1. 6

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  2. 7

    大谷がいちいち「大袈裟に球を避ける」のは理由があった!弱点めぐる相手投手との暗闘の内幕

  3. 8

    西武・渡辺監督代行に貧打地獄を直撃!「ここまで打てないほど実力がないとは思ってない」とは言うものの…

  4. 9

    朗希の“歯車”は「開幕前からズレていた説」急浮上…メジャー挑戦どころじゃない深刻事態

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方