大栄翔がストレート給金 躍進支える“ネズミ”退治と経験値
苦戦しながらもストレート給金を手にした。
速射砲のような突っ張りを武器に、初日から3大関を破り、関脇、小結も蹴散らした前頭筆頭の大栄翔(27)。17日は輝の攻めに泡を食ったのか、土俵際まで押し詰められた。それでも上体をのけ反らしながら残し、突っ張る輝の腕をたぐると、とったりで勝負を決めた。
これで勝ちっぱなしの8連勝。他に無敗力士はおらず、優勝戦線の先頭に立っている。
それにしても驚きの強さである。先場所も幕内上位で10勝5敗と健闘したが、上から落ちてくる力士もおらず、三役昇進はかなわなかった。以前から定評があった突き押しは、その先場所よりもさらに威力を増したようにも見える。
角界OBが言う。
「昨年、右ヒジを手術したのが大きい。大栄翔は右ヒジ痛を抱えており、本人も『力が入らなかった』と後に振り返った9月場所は5勝10敗。そこで思い切って右ヒジの遊離軟骨除去、いわゆるネズミ除去の手術をした。先場所は手術後初めての本場所だったものの、いざ相撲を取って不安も解消されたのでしょう。突っ張りの威力を維持したまま回転が速くなったのは、それこそ稽古に集中できたからではないか」