広島・栗林の恩師2人が語る素顔「気配りできる野球小僧」
■プロ入り後を彷彿させる「中学時代の3者連続三振」
では、恩師2人に話を引き継いでもらおう。
まずは勝幡ドラゴンズの矢田慎一郎監督(当時)だ。
「一言で言えば野球小僧。いつも自転車のカゴにバットとボールを積んで、野球で遊んでいた。私の息子が彼の幼馴染みで、よくウチにも遊びにきましたよ。とにかく運動神経がずばぬけていて、周囲からは一目置かれていた。彼が5年生の時は遊撃を務め、6年生になると捕手に配置転換になった。チームで一番野球を知っている、というのがその理由です。声出しも熱心でしたし、内外野への指示も的確。サインを解読まではしていませんでしたが、相手がサインを出したのを確認して『何かしてくるぞ』と警戒し、指示を飛ばすこともしていた。小学生であそこまでできる子はほとんどいませんよ」
当時はあくまで野手。練習試合で投げることもあったが、「ストライクが入らず、涙ぐんでいた。負けん気は強かった」とは矢田監督の弁だ。
藤華クラブの有野伸一監督は「優しい子ですよ」と、こう話す。