<1>「大地は代表では後発、絶対的ではない」父・幹雄さんの目線は極めて冷静
サッカー経験者の父の目線は極めて冷静だ。
試合後には、「お疲れさん」「頑張れよ」とLINEを送るのが常だが、オマーン戦後の親子のやりとりも普段通りだったという。試合途中から注目度の高い久保が出てきて、競争にさらされる形になったが、それでも「息子の精神面が崩れることはない」と幹雄さんは信じている。
■歴代のトップ下と比べると謙虚
「大地はどの環境でも常に競争があった。相手が誰でも『チームのために自分がやれることをやるしかない』という覚悟は変わらないはずです。もともと代表では後発。スタメンで出るようになったのは20年秋の欧州遠征くらいから。周りからは『鎌田はエース級』みたいに言われたりしていますけど、全然そうは思ってない。まだまだチャレンジャーなんです」と父は立ち位置をおもんぱかる。
歴代の日本代表トップ下を見ると、中田英寿、中村俊輔(横浜FC)、本田圭佑(スドゥバ)、香川真司(PAOK)と「エースの自覚」を前面に出すタイプばかりだった。バルセロナ育ちの20歳の久保もハッキリと自己主張をするタイプだ。こうした面々に比べると、鎌田は明らかに謙虚なタイプ。「自分はそこまでスーパーじゃない」と口癖のように言う。