<1>「大地は代表では後発、絶対的ではない」父・幹雄さんの目線は極めて冷静
「W杯最終予選ってこんなに難しいんだね……」。今年9月2日のオマーン戦。土砂降りのパナソニックスタジアム吹田でまさかの敗戦を喫し、ガックリと肩を落とす長男・大地の姿を目の当たりにし、両親の幹雄・貴子夫妻は、涙雨に濡れながら帰路に就いた。「W杯はもちろん、最終予選を生観戦したのが初めて。中東勢の進化に脅威を感じました」と、かつて大阪体育大のサッカー部でプレーしていた父は現実の厳しさをしみじみと感じた。
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■昨季ドイツで5得点12アシスト
森保日本で久保建英(マジョルカ)とトップ下を争っている鎌田大地が、日本代表デビューを飾ったのは2019年3月のコロンビア戦(日産スタジアム)。
それまで年代別代表でさえ無縁だったので本人もビックリだった。最初は大迫勇也(神戸)が担う1トップで起用され、彼自身も「自分には難しい」と戸惑いをのぞかせていたが、トップ下でプレーし始めてから輝きを放つようになった。