照ノ富士が初の全勝V!「1強時代」到来は相撲界にとって吉か凶か
■ライバル不在の懸念
大相撲の歴史をひもとけば、栃錦と初代若乃花の「栃若時代」、大鵬と柏戸の「柏鵬時代」、輪島と北の湖が火花を散らした「輪湖時代」などのライバル対決が人気を博した。
しかし、例外もある。それが千代の富士だ。一人横綱ではなかったものの、53連勝や史上3位の31回優勝など活躍。絶大な人気を誇った。相撲協会も照ノ富士が千代の富士のように「ゼニの取れる力士」になれるか、さぞ気を揉んでいるだろう。
気がかりなのは、強すぎるあまり増長しかねないか、という点だ。やりたい放題の白鵬に限らず、朝青龍や千代の富士も勝利を重ねるにつれて、「オレが横綱だ」という態度になってしまった。
「その点、照ノ富士は大丈夫でしょう。彼はいつバクハツしてもおかしくないバクダンを両ヒザに抱えている。『太く短く』という言葉からして、引退と隣り合わせということは理解している。増長する余裕はないと思います」(前出の親方)
優勝インタビューでは「来年は優勝2ケタを目指したい」と語った照ノ富士。残り4回、来年中に達成できるか、立ちはだかる力士が出てくるのか、けだし楽しみだ。