小池都知事を北京冬季五輪に派遣するこれだけのメリット
■東京と北京は姉妹友好都市
そもそも東京と北京の関係には長い歴史がある。両都市が姉妹友好都市協定を締結したのは1979年である。以来、両都市間の交流は、時の知事によって強弱はあったものの、40年以上にわたって続いている。最盛期には、北京市内に東京都が事務所を構え、職員を常駐させていたこともあるくらいである。さらに、小池知事の実質的な後見人として権勢を振った自民党の二階前幹事長は、自他ともに認める中国通である。
思い出していただきたい、2020年2月、中国武漢で新型コロナウイルスが猛威を振っていた時期、小池知事は東京都の防災備蓄品である防護服を大量に中国に提供したことを。その際、小池知事が自民党本部の二階氏を日参し相談していたのは周知の事実である。
小池知事にとっても北京行きのメリットは決して小さくない。
米中の板挟みに悩む岸田首相を都知事の立場を利用して救い出せれば、大きな貸しをつくることにつながる。あるいは、外交的ボイコット強硬派の高市早苗政調会長の向こうを張って、親中・融和路線の小池知事を北京行きによって大々的に演出し、新たな対立軸を作り出すことも可能である。