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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

男子テニス世界ランク1位メドベージェフが看破した価値観の変化

公開日: 更新日:

 ロシアという国家は決してテニス選手を支援してきたわけではなかっただけに、この言葉は重く、深い。

■国家ではなく個人を追求して世界の頂点に

 6位のアンドレイ・ルブレフらトップ25に並ぶ4人のロシアの若者たちは、多くの人の考えとは裏腹に、独力で這い上がってこの地位にいる。メドベージェフのコーチのジル・セルバラはフランス人だ。代理人は錦織圭と同じIMGアメリカのオリバーだ。ルブレフやハチャノフのコーチもスペイン人だ。

 今世紀に入ってからのテニスは(恐らくフィギュアスケートも)、30年前の冷戦時と異なり、国家ではなく個々のチームでしのぎを削ってきた。国威ではなく、個人を追求して世界に出た。日本で人気のシャラポワも国の支援がなく、7歳で渡米した時、父親の財布には7万円しかなかった。2004年に4大大会の3大会をロシアの女子が制した頃、金の出どころを聞いたことがある。個人投資家が遠征費を出し、稼いだ賞金で返す。それがチーム体制に発展したのは西も東も同じ。メドベージェフはモナコ在住の獲得賞金23億円の個人事業主で、もはやチェコスロバキア(当時)に賞金の半分を納めたレンドルの時代ではない。

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