男子テニス世界ランク1位メドベージェフが看破した価値観の変化
メドベージェフの言葉は「いつまでも同じ目で見ないでくれ」という叫びだろう。ロシア、中国、アラブに自由はない、これは多分にこちら側の価値観だ。本田圭佑がウクライナの大統領を批判して炎上したようだが、ロシアでもプレーした彼は戦争の底に流れる価値観のズレを体感したのではないか。
政治も戦争も根拠は常に〈国を守る〉だ。スポーツも政治と無縁でないが、出来る限り無縁に、国家ではなく個人であろうという努力がここまで発展した原動力だ。「戦争反対」を表明したメドベージェフはアトランタ五輪が開かれた1996年の生まれで、既に6オリンピアードが過ぎた。コロナと戦争のムシロの上で、新たな価値観に向き合うことも迫られていると思う。