五輪汚職KADOKAWA会長逮捕で露呈した「社員信じる」発言のウソと会社私物化の実態
東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐり組織委員会の元理事に6900万円の賄賂を提供した疑いで14日に逮捕された、KADOKAWAの角川歴彦会長(79)の発言について波紋が広がっている。
5日、自宅前で贈収賄疑惑について「全くありません。僕はそんなに心が卑しくね、今まで50年も経営をしたことはないんですよ。それ一緒にしないで。社員に(不正を)しろと言った覚えもないし、社員を信じたい」と贈収賄について全否定どころか“卑しい”とまで表現。社員を信じたいとまるで他人事だったコメントは逮捕によって事実ではないことが証明された。
同社の関係者は呆れながらこう言う。
「経費に関してとにかくうるさい。著者の接待も満足にできないのに6900万円も融通できる社員・役員はいませんよ。それを社員のせいとは。法務担当や広報とのすり合わせなしにコメントするなど上場企業ではあり得ない。会社を私物化している表れです」
早期辞任を求める声が社内外から上がっているのも当然で、同社の株価は、逮捕を境に3000円から2655円(16日)にまで下落している。
後任には夏野剛社長(57)、ドワンゴの創業者で同社取締役の川上量生氏(54)らが候補に挙がっているというが、一族経営の暗部を断ち切ることができるか。