ダルの「42歳まで6年140億円」「キャンプ免除」が示す…大谷はメジャーじゃまだ“ひよっこ”
宮崎合宿からの合流は本人があえて希望せず
エンゼルスは是が非でも、大谷に来季以降も残留してもらいたい。それだけに本人が強く望めばWBCの制限をなくすことも、宮崎合宿に参加することも可能だったはず。なのに結果としてそうならなかったのは、あえて本人が希望しなかったからだろう。
昨年10月、大谷は帰国直後の会見でこう言っている。
「バッティングに関しては問題ないかなと思うので、ピッチングの方ですね、やっぱり。例年ならスプリングトレーニングが始まって1週間ちょっとくらい経過して。球数はたぶん40球くらい。それが先発で投げるなら60球、70球くらいまで投げられるように仕上げないといけない」
ルール上、メジャーリーガーの実戦出場が解禁されるのは3月6日の強化試合(対阪神)から。3日後の9日には本番がスタートするだけに、宮崎合宿から日本にいては調整不足になると本人は考えているのかもしれない。
ましてメジャーの投手は今年からピッチクロックが導入され、ランナーがいない場合は15秒、いる場合は20秒以内に投球動作に入らなければならない。極端な守備シフトも禁止されるから、投内連係の確認作業もこれまで以上に必要になる。おまけにエンゼルスは正捕手がスタッシ(31)から、大谷が公式戦で一度もバッテリーを組んだことのないオホッピ(23)に代わる。課題はてんこ盛りだ。
米国にいれば25日にスタートする実戦への出場も可能だし、エンゼルスのキャンプで調整するのがベストという判断が働いたのだろう。
一昨年は満票でMVPを獲得、昨年は投げて15勝、打って34本塁打で投打とも規定に到達。大谷はいま、メジャーで最も注目される存在には違いないが、二刀流選手として投打とも結果を残すようになったのはここ2年のこと。ダルがツイッターで日本人大リーガーについて「早期合流が難しいのは確かです」とつぶやいたように、大谷には何がなんでも残留してもらいたい球団としても、調整を含めてすべて本人に丸投げというわけにはいかないのだろう。
そこへいくとダルにはメジャー11年で通算95勝(75敗)、昨季は短期決戦のプレーオフにも強いことを証明した実績と経験がある。42歳まで現役の大型契約を勝ち取ったダルを見るにつけ、大谷はまだまだ、ひよっこという気もしてくるのだ。
この日、ダルは17日からのWBC日本代表合宿に備えて帰国した。一方の大谷はWBCに出場予定の投手の集合日である現地時間13日、エンゼルスのキャンプ地アリゾナ州で投打の調整を行った。