藤田宗一(1)イチローが第2R米国戦前に飛ばしたゲキの効果「僕が1打席目に本塁打を打つ」
■イ・スンヨプは「明日負けて帰る」と冷静だった
「イチローも悪気はなかったと思います。ロッテでチームメートだったスンちゃん(イ・スンヨプ=巨人)は冷静でしたね。決勝ラウンドの前日、ホテルで顔を合わせると、『もう役目は終わったので明日負けて帰ります』と。冗談だろうと思っていたら、兵役のこと(ベスト4進出で免除)もあったんだろうけど、本当に負けて帰っていった。旗の事件の瞬間、僕は裏にいて見ていませんでしたが、あとでイチローがめちゃくちゃ怒っていて、『F×ck!』と放送禁止用語を連発してブチ切れていた。米国戦でのデービッドソン球審のあの大誤審(三塁走者だった西岡剛の走塁を巡る判定)にも怒り心頭でした」
チームリーダーは宮本慎也(ヤクルト)だった。
「渡米後、日本人の学生さんたちと話していたら、慎也さんに『遊びに来てんちゃうぞ』と喝を食らいました。普段の声かけも慎也さんがしていましたが、(2次ラウンド初戦の)米国戦のときだけは、イチローが『ちょっと集まってください』とアップ前に選手、スタッフを外野に呼び寄せたんです」