世界各国にこれだけの「サッカー女子代表はつらいよ」…男子のクレージーさとは全く別物
南アは13歳少女が代役で壮行試合出場
一方、南アフリカでは、なんと23人の選手全員が壮行試合をボイコットしたよ。22年のアフリカ女王なのに、彼女たちへの待遇は少しも改善されない。報酬は男子と比べ、雀の涙。おまけに試合が行われるスタジアムは小さく、ピッチは荒れていて、代表がプレーできるレベルのものじゃない。ちなみに、南ア・サッカー協会は13歳の少女を含む地元のチームを代わりに出場させてボツワナに0-5で大敗。信じられないことに、南アではボイコットした彼女たちを非難する声の方が多いんだ。
彼女たちの多くは言う。
「お金が欲しいわけじゃない。正当な扱いとリスペクトが欲しいだけだ」ってね。調べによると世界のトップリーグでプレーする選手でさえ、平均年収は300万円から400万円。最高でも1億円には届かない。女子サッカーを取り巻く環境のレベルはまだそんなところなんだ。これじゃあ、彼女たちが抗議するのも当たり前だよね。
そうそう、男子のW杯ではFIFAは賞金をそれぞれのサッカー協会に渡すけど、女子の場合は各国の協会を通さずに、選手一人一人に渡すことにしたらしいよ。そうでないと彼女たちの手に渡らないことに気が付いたからだ。
選手の健康を守るっていう点でも男子には遠く及ばない。プロサッカー選手協会によると、いくつかの参加チームでは、心電図もとったことがない選手がいるんだって。男子ではあり得ないよね。おかしいのは、カタール大会では選手の健康を考え、26人の選手を連れていくことが認められたのに、女子の場合は23人のまま。女子の健康は考えなくていいのかな?
レベルは違えど、苦境にある女子選手は連帯感が強い。例えば、早くから男女平等が決められた米国の選手たちは、自身のSNSで「もし困っている国があってサポートが必要なら手伝うよ! 連絡して!」なんて投稿している。ノルウェーの選手たちも連帯を強めている。
男女のW杯の格差が縮まることはとても大事なことだ。でもFIFAはちょっと急ぎすぎた気がするね。W杯だけ立派になってもしょうがない。まずは彼女たちの待遇面から改善しないと。ただ、彼らの真の狙いは女子W杯を男子並みのビッグイベントにして儲けることだから、急いだのかもしれない。おかげで大会全体でも問題が起きている。
まずビッグイベントにして、賞金を上げたものの、スポンサーが男子並みに集まらない。悩んだFIFAのところにきたオファーはサウジアラビアから。彼らは今観光客誘致に力を入れていて、メッシをアンバサダーにしている。「サウジアラビアへようこそ」の看板を出そうって魂胆だった。FIFAもこれを一度は受け入れた。でも、これは開催国のオーストラリアから猛反対にあった。それはそうだよね。女子のW杯に女性の人権を認めない国が広告を出すって、あまりにもブラックすぎる。さすがにFIFAも断ったが、それほど窮乏してるってことだ。