遠藤保仁のJリーグ30年トータルMVPにホッ…川淵三郎初代チェアマンとの「点と線」
15日、Jリーグ創設30周年記念イベントが都内のJFAハウスで行われ、30年間トータルのMVPに遠藤保仁(43=ジュビロ磐田)が選ばれた。
プロ26年目の遠藤は1998年に横浜フリューゲルスに入団。その後はガンバ大阪などでプレーし、J1の出場試合数は歴代最多の672試合、代表の国際Aマッチも同じく歴代最多の152試合に出場。三浦知良(56=ポルトガル2部オリベイレンセ)らレジェンドを抑えての受賞となった。
この遠藤のMVPについて、Jリーグ関係者の間には「歴史的にも意義深い」との声がある。
遠藤がプロ入りしたフリューゲルスはJの30年間で唯一、消滅したクラブ。遠藤の入団1年目の98年10月、経営難に陥っていた同クラブを巡って、スポーツメディアが横浜マリノス(現横浜F・マリノス)との吸収合併をスッパ抜いたのを皮切りに社会問題化。99年元日の天皇杯優勝を花道にマリノスに合併された。
当時、独断でこの吸収合併を推し進めたといわれるのが、この日の記念イベントにも登場した川淵三郎初代チェアマンだった。後に本人が「チェアマン在籍時、最大の危機だった」と話すなど、サポーターから大いに批判を浴びた。
Jリーグ最大の黒歴史ともいわれるフリューゲルス消滅から24年。唯一の生き残りである遠藤のMVPに、当時からのサポーターはさぞ喜んでいるだろうが、最も胸をなで下ろしたのは川淵初代チェアマンかもしれない。