智弁和歌山、明徳義塾…相次ぐ波乱「甲子園常連校」早期敗退にプロスカウトにんまりのワケ
この状況にプロのスカウトたちは、ほくそ笑んでいるに違いない。
今夏の高校野球地方大会は全国各地で波乱が起きている。
初戦で散った智弁和歌山(和歌山)を筆頭に、明徳義塾(高知)、報徳学園(兵庫)、高松商(香川)、山梨学院(山梨)、福岡大大濠(福岡)など姿を消した甲子園常連校は枚挙にいとまがない。
近年は「投手の肩は消耗品」という認識が広まっている。
投手は地方大会で勝てば勝つほど球数は増えるし、甲子園に出ればさらに負担が増す。球児も、無理を押してでも投げようとするだろう。ケガのリスクは試合数に比例する以上、選手にはプロ入りするまでにすり減ることなく、万全の状態でいてほしいとスカウトが願うのは当然だ。
他にも理由がある。セ球団スカウトが言う。
■本人保護者や監督もテングに…
「勝ち進めば進むほど露出が増えてしまう。甲子園では12球団のスカウトが一斉にクロスチェックをするから、自分だけが目をつけていた選手が発掘されてしまうかもしれません。大活躍でもしようものなら指名順位を上げる必要も出てきます。さらに大学や社会人からも声がかかるだろうし、実際、本人だけでなく保護者や監督がテングになり、『ドラフト3位指名以内でないと、進学させる』『育成指名は絶対断る』なんて言い出すことも少なくないのです」