夏の甲子園8強に近畿勢ゼロの珍事も…大阪桐蔭と智弁和歌山の「逆襲」はもう始まっている
19日に4強が出そろった甲子園で、珍事が起きている。履正社(大阪)と智弁学園(奈良)が3回戦で敗れたことで、近畿勢6校はベスト8に1校も残れなかったのだ。これは2016年以来7年ぶりのことである。
決勝が和歌山と奈良の「智弁対決」となった21年は8強に5校、準決勝は近畿勢同士の対戦になるなど、近年は春夏とも近畿勢が上位を占めてきた。優勝候補に挙がっていた履正社と智弁学園が相次いで敗退した17日はネット上でも、「甲子園って近畿大会だと思っていたのに」「組み合わせの妙」などと話題になった。3回戦の仙台育英(宮城)-履正社戦は4-3の好ゲームとなり、「事実上の決勝戦」がトレンドワード入りした。
アマチュア野球に詳しいスポーツライターの美山和也氏がこう言う。
「大阪桐蔭、智弁和歌山、センバツ準優勝の報徳学園(兵庫)といった強豪校が出場していないことも関係しているかもしれません。ただ、近畿のレベルが下がったというより、8強に3校が残った東北のレベルが上がった感はあります。8強入りした仙台育英、八戸学院光星(青森)、花巻東(岩手)はいずれも甲子園決勝進出経験のある強豪校ですが、09年に『みちのくフレッシュBリーグ』が発足したのが大きい。この甲子園にも出場した聖光学院(福島)や日大山形などが1、2年生主体のBチームで各校2試合ずつのリーグ戦を実施しています。その後、秋田などで『東北レボリューションBリーグ』というリーグ戦も始まり、東北各地で下の学年の選手が早い段階から実戦経験が積めるようになったことで全体のレベルが上がった。昨夏の仙台育英の優勝で、全国のレベルが拮抗してきた。今春のセンバツも優勝経験のない山梨県の山梨学院が優勝しました。ただ……」