遠藤航はリバプールの大黒柱になれる ドイツの“デュエル王”が秘めたポテンシャル
遠藤航(リバプール・MF・30歳)
「リバプールに行ってもやることは変わらないので焦らずと言うか。連戦だし、チャンスが全くないとは思わないので。(シュツットガルト時代に比べて)出場時間は限られると思いますけど、スタメンだろうがサブだろうが、自分のできることを全力でやるだけです」
日本代表の9月の欧州遠征.2連戦の後、新天地で本格的な競争に身を投じた遠藤航。スタメン抜擢された9月21日のEL・LASKリンツ戦はやや低評価だったこともあり、ここから巻き返しが求められる。
「航のようなデュエル(対人)やボール奪取力に秀でる選手は(リバプールのユルゲン・)クロップ(監督)が大好きなタイプ。リバプールは『(三笘薫=ブライトンの元同僚でチェルシーに引き抜かれた)カイセドを逃して航を取った』と言われているけど、『航で十分だ』と証明してほしいよね」
クロップのドルトムント時代の教え子・香川真司(C大阪)が期待を示した通り、今夏、名門移籍を勝ち取った30歳・遠藤航への世界的注目度は一気に高まった。
「確かに周りの反応は凄かった。もちろんカイセドと比べられているのは分かってますけど、自分はリバプールに求められている選手だと自覚を持ってプレーすることが大事。監督と会って話しても期待は凄く感じるし、それをピッチ上で表現するだけですね」と本人も9月の代表合流時に強い意気込みを示していた。
「シュツットガルト前主将のドイツ凱旋試合」とも位置付けられたドイツ戦(9日=ボルフスブルク)の一挙手一投足も圧巻だった。とりわけ際立ったのが、相手主将・ギュンドアン(バルセロナ)からボールを奪った前半27分のシーン。
「そこはかなり意識したし、リバプールで求められている部分。ギュンドアンに体をうまく当てに行って先にボールに触れられた。ああいうところで勝てるか、勝てないかで試合展開が大きく変わる」と強調。駆け引きで勝利した自信をのぞかせた。
続く12日のトルコ戦(ゲンク)でも3-2に追い込まれた後半に登場し、中盤を確実にコントロール。頭抜けた戦術眼と統率力でチームを落ち着かせた。
遠藤と伊東純也(スタッド・ランス)がいなかったら、控え組主体の日本はひっくり返されていた可能性もあった。その冷静さと落ち着きをリバプールでも遺憾なく発揮すべきだ。