トルコ戦で伊藤敦樹や中村敬斗が株を上げた 小川諒也、伊藤涼太郎ら代表予備軍たちの今後に期待
6月9日のドイツ戦(ドイツ・ヴォルフスブルク)から先発10人を変更した12日のトルコ戦(ベルギー・ゲンク)。第2次森保日本の新戦力・伊藤敦樹(浦和)の先制弾と中村敬斗(スタッド・ランス)の2発で前半から3-0とリード。楽勝ムードが漂ったが、2点を返され、一時危ない雰囲気も漂った。
それを断ち切ったのが、古巣凱旋の伊東純也(スタッド・ランス)。30歳のイナズマがさく裂し、日本は欧州遠征2連勝。選手層の厚さを見せつけた。
ベルギーの東端、オランダ国境の近くに位置するゲンク。この町には2002年に鈴木隆行(現解説者)のゲンク移籍以来、4~5回は来ている。
小さな町で繁華街と言えるのは広場の辺りしかないが、サッカー人気は高い。本拠地のセゲカアレナは約2万5000人収容の臨場感あふれる競技場だ。
前回ここを訪れたのは2019年10月。ゲンク時代の伊東がセルクル・ブルージュに在籍していた植田直通(鹿島)との日本人対決に挑んだ時だ。
当時はまだ日本代表では主力の座をつかみつつあった時期で、今ほどの存在感は示していなかった。
「プロになってから壁らしい壁にぶつかったことはない」と本人が話していたことがあったが、その後、グングンと成長。2022年カタールW杯最終予選での4ゴール・2アシスト・PL奪取と全12得点の半分以上に絡む働きを見せ、本大会でも多彩な役割をこなして16強入りの立役者となった。
そして今回のドイツ戦で1ゴール1アシストを記録。トルコ戦で70m独走からのPK奪取で試合を決める4点目をゲット。
「(抜け出した時は)何回か止まろうと思ったけど、意外に行けちゃったんで、そのままいった感じです(笑)。ゲンクのスタジアムだった、自分で蹴ろうと(PKを)もらった瞬間決めてました」と伊東は満面の笑みを浮かべた。
「伊東純也がここまで伸びるとは予想できなかった」と同じベルギー1部のシントトロイデン立石敬之CEOも感心していた。欧州では「30歳定年制」のような価値観がまかり通っているが、彼なら遠藤航(リバプール)に続く30代のビッククラブ移籍が叶うのではないか、と期待が高まった。