移籍出遅れのラツィオ鎌田大地は「やりたかった」ポジションで荒波を乗り越える
今季のラツィオはセリエA開幕から低調
その代表では、ドイツ戦(ヴォルフスブルク)1試合に出場。直接的なゴールやアシストはなかったが、前半の伊東純也(スタッド・ランス)、上田綺世(フェイエノールト)の2得点の起点となる巧みなプレーを披露した。
「自分たちの時間を作れたし、内容的にはカタールW杯のドイツ戦よりよかった」と本人も納得の表情を浮かべた。5シーズン過ごし、EL制覇も果たしたドイツでの凱旋試合で鎌田らしさを示したことで、彼は自信を深めたに違いない。
そして再びラツィオへ戻った鎌田はCLのアトレチコ戦に出場。積極的なシュートを放つなど、悪くない入りを見せていた。 だが、前半29分の失点シーンでパブロ・リバスのシュートを足に当ててアシストする形になり、現地メディアから酷評された。
イタリアというのは「勝てば官軍・負ければ賊軍」の傾向が強い国だが、鎌田はいきなりその洗礼を浴びた格好だろう。
それを黙らせるのは自身の結果しかない。今季ラツィオは開幕から低調で、5試合終了時点で勝ち点4の16位に沈んでいる。悩めるチームの救世主となれば誰も文句を言わなくなるはずだ。
「(稀代の戦術家と言われるマウリツィオ・)サッリ監督からは守備や攻撃の仕方だったりを教わっていて、引き出しが増えたかなと。4-3-3のIHは自分がずっと前からやりたかったポジション。ようやくそこでプレーできている感覚です。僕はトップ下のイメージが強くて、ボランチができないとかいろんなことを言われましたけど、監督からは6番、8番(ボランチ)、10番ができる選手と評価されている。それをピッチ上で示していきたいですね」
イタリアという未知なる環境に身を投じた鎌田がどう荒波を乗り越えていくのか。本当の勝負はここからだ。