NPBと選手会は相談窓口設置を検討「安楽事件」未然に防ぐために必要だったもの
1日に行われた、NPBとプロ野球選手会の事務折衝。当然、楽天の安楽智大(27)の事件が議題に上がり、今後は複数の相談窓口の設置を検討していくことになった。
安楽に殴られた、陰湿なイジメを受けた、罰金を取られたなど、球団に被害を訴えた選手は10人。さらに40人が安楽の愚行を見聞きしていたことも明らかになっている。
選手会の森事務局長は相談窓口について「NPBに作るのが一番いいが、(窓口は)多ければ多いほどいい」と話している。
果たして窓口ができると、何が変わるのか。野球と同じか、それ以上にイジメや暴力などが多いとされている大相撲は2014年、新公益財団法人移行に伴い、不祥事通報窓口を協会内に設置した。
古株の角界OBは「それだけではいわゆる、イジメや後輩いびりは減りませんよ」と、こう続ける。
「もちろん、何かあった時のために相談窓口を設けるのは良いことです。むしろ、今までプロ野球にそうしたものがなかったのが意外ですが……実際、大相撲でも『兄弟子にこんなことをされた』とか、親方が『ウチの部屋でいじめがあったが、どうすればいいのか』と報告してくることもあった。そのたびに協会は本人や周囲に事情聴取してきた。窓口があったから協会が問題を把握し、表面化する前に解決できたケースも少なくない。ただ、これでイジメや暴力がなくなるわけじゃない。協会に連絡が行くのは大体、被害にあった側が『もう我慢できない』と大ごとになっている時がほとんどですから」