メジャー球団が編成責任者に毎年15億円も払う本当の狙い

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 元々弱かったデータ部門の刷新、その上で生え抜きの育成、効果的な補強を経て今季、東地区首位と大きな飛躍を遂げたオリオールズ。

 この強さはこの先、しばらく続くかもしれない。MLB公式ページによる下部組織のランキングは1位、アドリー・ラッチマン捕手やガナー・ヘンダーソン内野手に続き、2024年にデビューしそうなイキのいい選手が下部組織にまだ何人もいるのだ。アストロズ同様、今はやりの言い方をすれば「サステナブル(持続可能)」な強さを実現できるか見ものである。

 今季終了後、ニューヨーク・メッツの野球最高責任者兼編成本部長に就任したデビッド・スターンズ氏(写真)は、かつてアストロズでルーノウGMのアシスタントとして、チーム再建に大きな役割を果たした人物だ(オリオールズのエライアス氏の前任者)。こちらも当然アストロズに倣ったチームの再建が期待されるものの、果たしてどれだけの時間がかかるか、かけられるか。

 ニューヨークのファンは何年もかかる「立て直し」を待つほど気長ではないし、ましてメジャーで1、2を争う富豪オーナーであるスティーブ・コーエン氏は、今季メジャーダントツの選手総年俸をつぎ込んだにもかかわらず、序盤でつまずき、シーズン途中でチームを解体せざるを得なくなった悔しさを、そう簡単に忘れることはできないだろう。カネも口も出すこのオーナーは「5年後に勝ってくれれば……」などと悠長なことを言ってくれそうにない。

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