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鈴木照雄

1946年、長野・阿智村生まれ。塚原学園天竜高(現松川高)、大東文化大、河合楽器を経て、71年ドラフト11位で阪神入団。76年に太平洋クラブ(現西武)に移籍。78年クラウンライターが西武鉄道へ身売りするタイミングで引退、スカウトに転身。2006年までの28年間、関西と北信越の一部を担当。担当選手は清原和博、垣内哲也、和田一浩、松井稼頭央、中島宏之、栗山巧、中村剛也、炭谷銀仁朗ら逸材多数。現在は長野・飯田ボーイズの監督を務める。

和田一浩の外野転向&2000安打達成を支えた大きな武器

公開日: 更新日:

 4位指名ながら契約金8000万円、年俸1200万円という条件を見ても、西武は上位と遜色ない評価をしていた。この和田も、鈴木がスカウト会議で強く推したことで指名が実現した選手だった。

 和田の打撃が覚醒したのは、2002年に捕手から外野にコンバートされてから。05年には首位打者、最多安打を獲得。07年に落合博満監督率いる中日へ移籍した後も、主砲として常勝軍団を支え、43歳まで現役を全うした。

「指名当時の西武はツトム(伊東勤)が正捕手だったんですけど、年齢的にも30代半ばに差し掛かっていました。ツトムのライバルになりうる捕手を探せ、となって、ベンちゃんを見つけた。彼は気配りができて、人柄がいいんですよ。担当地域外でしたけど、日頃からお世話になっていた東北福祉大の伊藤義博監督(当時)からもそんな話を聞いてました。プロ入り後のオフに、『僕がごちそうしますから、食事をしましょう』と誘ってくれたり。そういう選手はめったにいません。そういう人間だから、周りも手を差し伸べたいと思うわけです」

 93年の松井和夫(稼頭央)、96年の和田を担当した鈴木は数々の逸材を発掘したが、和田を指名する2年前の94年、「隠し玉」として4位指名を目指した高校生がいた。同年ドラフトロッテに1位指名されたサブローこと大村三郎(現・ロッテ二軍監督)である。

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