選手チェックで重視した手足の親指の使い方 技術以外ではルックスも評価項目に入っていた
自身が担当した中村剛也(2001年2巡目)は、大阪桐蔭時代から独特な指の使い方をしていた。
「高校2年の時に右手の小指を骨折して以降、バットを握る際、右手の小指を立てて打っていた。小指に力を入れずにスイングすることでヘッドを利かせるというんですけど、なかなかマネできることではありません」
今も右手小指を左手に添えるようにしてバットを握っている。
こうしてさまざまな角度から採点をし、球団に推薦する。
「私がいたころの西武は10段階や5段階で評価していました。『A』がトップでその次が『AB』。最後までリストに残るのはほぼAとABの選手です。肩は強いけど足は……という選手にはCを付けたり。技術以外では、ルックスも評価項目に入っていました。ちなみに松井稼頭央(現西武監督)はAを付けましたね」
鈴木が担当した関西地区は逸材の宝庫といわれるが、その分、野球人口も多い。
「高校、大学だと100人以上の部員を抱える学校はザラですけど、学校に行く際は全員を見るようにしていました。そうなると多くの学校を回ることはできない。じっくり見るために、1日1校しか回りませんでした」