自己最多47号の大谷“独り勝ち”まである…防御率「30球団中26位」投壊ドジャースを襲うポストシーズン敗退危機
日本時間11日、ドジャースタジアムで行われたドジャース対カブス戦は、大谷翔平(30)ら日本人選手4人が出場。大谷と鈴木誠也(30)がスタメンに名を連ね、山本由伸(26)と今永昇太(31)が投げ合った。日本人選手4人がスタメン出場するのは、2007年5月4日のマリナーズ対ヤンキース戦で、イチロー、城島健司、松井秀喜、井川慶が出場して以来、17年ぶりだった。
試合はカブスに軍配が上がった。今永が7回3失点の好投で今季13勝目をマーク。鈴木は3安打1打点で勝利に貢献した。ドジャースは大谷が4タコに終わったものの、右肩腱板損傷から約3カ月ぶりに復帰した山本は60球程度をメドに先発し、4回1失点で8奪三振の好投を見せた。
日本人選手の共闘に沸く一方で、肝心の試合はカブスに連敗。11日現在、86勝59敗の貯金27で2位のパドレスに4.5差をつけて首位を快走し、3年連続の地区優勝は秒読みとなっているものの、その先のプレーオフに暗雲が立ち込めている。
最大の懸案は投手陣だ。グラスノーら開幕ローテ投手が相次いで故障離脱した影響もあり、過去15日間のチーム防御率は30球団中26位の4.90(11日現在)。9月の9試合中3試合で10失点以上を喫したこともあり、今季通算のチーム防御率3.85より、1点以上も悪化しているのだ。
投手陣の不振もあって、9月は4勝5敗と苦戦。この日復帰した山本に続いて、グラスノーも14日に実戦登板が予定されているが、この日は中継ぎとして46試合に登板する左腕のバンダが利き手で硬いものを殴ったとして、骨折離脱。ブルペンの左投手は1人しかいない緊急事態に陥った。
このまま「投壊」が続くようなら、地区優勝を果たしたとしても各地区の強豪が出場する短期決戦でアッサリ敗退しないとも限らない。実際、投手陣に故障者が続出した昨季は、プレーオフ初戦の地区シリーズでダイヤモンドバックスに3連敗し、早々と姿を消した。
米メディアでは、「今季もプレーオフで敗退するようなら、ロバーツ監督の解任は必至」との見方もあるほど。チームは必ずしも視界良好ではないのが実情だ。
ワールドシリーズ制覇を目標に掲げ、エンゼルス時代に経験したことがない「ヒリヒリした9月」を渇望してドジャース入りした大谷とすれば、最悪の結末となるわけだが、こと個人の成績に限れば歴史的な一年になる。
11日現在、すでに史上初の「46-47」(46本塁打、47盗塁)を達成している大谷は、このままのペースでいけば「50-50」に到達する勢い。メジャーの長い歴史で唯一無二の大記録を打ち立てることになる。