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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ある代理人の死…駅伝ケニア留学生の生みの親の功罪を検証すべき

公開日: 更新日:

 喪中の知らせが届くのはいつもの年末だが、今年は心なしかその数が多いようだ。箱根駅伝の解説者だった碓井哲雄さんが9月に亡くなったことは前に書いた。石井賢治さんが1月に亡くなっていたとは知らなかった。長野県出身の長距離選手で、臼田高校時代の1951年、日本選手権の5000メートル、1万メートルで優勝。最初で最後の現役高校生の日本チャンピオンであり、これからも現れないだろう。

 長野からリュックサックいっぱいの米を担いで、兵庫県明石のレジェンド・村社講平のもとに通ったそうだ。慶大卒業後にブラジルに渡って宝石商として成功。大晦日にサンパウロで開かれるサンシルベストレ大会で、円谷幸吉や澤木啓祐ら日本選手の世話をしたのが石井さんだ。

■イカンガーらを連れてきた「代理人の先駆け」

 ケニアのナイロビからも訃報が届いた。小林俊一氏(1942年生まれ)が亡くなったという現地のダグラス・ワキウリからの情報に驚いた。小林氏も一般の方は知らないだろうが、日本の長距離、駅伝に深い影を刻んだ人物だ。バブル期に登場した代理人の先駆けで、ワキウリをエスビー食品の中村清監督に紹介し、瀬古利彦と競り合ったジュマ・イカンガーを連れてきたのもこの人だ。私はケニア留学生の問題でやり合った。

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