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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

テニス錦織圭 これまで重圧だった国別対抗戦「デ杯」がモチベーションに様変わりした裏側

公開日: 更新日:

 昨秋から好調で世界ランク70位まで戻したが、初日は「この半年で最悪、まだこんなプレーをするのかと自信をなくした」……35歳の精神疲労を思わせながらも、第2セットの0-40から怒涛の5連続ポイントで西岡の奮起に応えた。

「この勝ちは大きい。自分のプレーを思い出し、ツアーへの強い気持ちも湧いてきました」

 1921(大正10)年の初参加を礎にする日本のテニスにとって、デ杯は常に最重要イベントだ。大きなプレッシャーとは裏腹に、ツアーの隆盛と勢力拡大に伴い国内の興味は薄れている。

 今回はテレビ中継なし、収容1500人の会場に仮設席をつけても動員2500人が精いっぱい。錦織にもさんざん体を痛めつけられた過去がある。

ランキングを上げる時期でムチャしたくない気持ちはありました。ただ、このチームでファイナルに復帰し、ファンにアピールしたい熱い思いがあります」

 団体戦を受けた背景に現在のチームのムードを挙げた。


 西岡、錦織は米国のテニスキャンプ育ち。内山靖崇、綿貫陽介、今回は代表を外れたダニエル太郎もジュニア時代から海外に出て、錦織を追いかけてきたいわば同志だ。世界で磨いた力を伝統で縛らない、若い添田豪キャプテンの方針も好循環につながっているのだろう。

 35歳のツアー転戦に順風満帆はない。一年一年がラストシーズンの覚悟の「オジサン」(錦織)に、これまでプレッシャーだったデ杯が今季のモチベーションに様変わり。9月のドイツ戦はホーム開催が決まった。

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