巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘
「しっかり相手を押し込めていた」
移籍後初の本拠地・東京ドームでの登板を終えると、本人はそう手応えを口にした。
2日のヤクルト戦に先発した巨人の田中将大(36)。2回2安打無失点の内容に、「インパクトの瞬間、打者がここだと思っている(振っている)ところからは少し手前で(差し込めて)当たっていた」と振り返った。
しかし、ネット裏の他球団スコアラーの見立ては田中本人の自己評価とは異なる。
「フォーム改造ばかりが注目されていますが、復活するかしないかは、結局、スピードが戻るかどうかだとみています。24連勝した2013年のストレートの平均球速は147.7キロで、最速は156キロでした。21年の楽天復帰後は、年々それが下降線をたどり、昨年は1試合のみの登板で比較するのは難しいものの、平均143.4キロ、最速は146キロでした。この日は平均144キロ、最速145キロ。今のスピードだと、正直、打者は怖さは感じないでしょう」
評論家の橋本清氏も、「まだ物足りなさを感じた」とこう続ける。
「今年11月で37歳になる年齢を考えれば、球速が落ちるのは仕方がない。球速表示ではなく、球の威力、キレなど打者の体感スピードで評価すべきだと思いますが、現時点ではやはり、もう少し球威が欲しい。指にしっかりかかったボールが多くはなかった。この日の2安打はいずれもスプリットを打たれたもの。球威があれば、空振りを取りにいく決め球ですから」