開幕戦はただの1試合ではない…プロゴルファーの現状がわかる「バロメーター」
私は現役時代、試合勘を取り戻したり、体や感覚の変化を確認する意味でも、国内開幕戦の前に、アジアサーキットや豪州の試合に出場していました。今年、多くの女子プロが開幕直前に台湾ツアーに参戦しましたが、同じような考えの選手もいたはずです。
海外試合を経てから開幕戦に臨んでも、やはり朝イチのショットは平常心で打てません。それでも思い通りの球筋と弾道でフェアウエーをとらえ、60台のスコアが出たりすれば、「オフに取り組んでいたことは間違いではなかった」と安心と自信を得ることができ、「今シーズンも頑張るぞ!」という気持ちになれるものです。
開幕戦の緊張といえば、忘れられないのが2008年の「スターツシニアゴルフ」(千葉・成田GC)です。パットのイップスから8年間もトーナメントを離れていましたが、長尺パターを使い出し「これなら試合に出られそうだ」というところまで回復。久しぶりのトーナメントで1番ホールのティーペグを刺すときはさすがに指が震えました。大袈裟な話ではなく、あれだけ緊張したことは人生で初めてです。
今年は竹田、山下美夢有、岩井明愛・千怜の姉妹らを加え、総勢13人もの日本選手が米女子ツアーで戦います。旬の選手がいなくなった国内女子ツアーを心配する声もありますが、必ずや新星が出てくるでしょう。