「堕落のグルメ」友里征耶氏
次いでおかしな行状を。
「関西人は街場の焼き肉屋から3つ星和食までジャンルを問わず、店にワインを持ち込もうとします。そして、いきなりワインを飲み始め、ビール代をケチる。しかも、そのワインは店のリストに載っていたり、たいした銘柄ではないのですね。店にワインを持ち込む場合、その店にない、あるいはソムリエが喜ぶものといった常識がありません」
本書では和食やイタリアン、フレンチなどの料理人への直接取材も敢行している。
■ドタキャンが料理人に与えるダメージは大
「そこで仰天したのがドタキャン問題です。みなさん、ドタキャンされると非常に落ち込み、その日の調理のモチベーションに響くとおっしゃる。それだけギリギリのところで切り盛りされているのだと思いますが、ドタキャンが与える心理的なダメージはそこまであるのかとビックリしました。あと、下戸のお客さんでも対応を区別しないという回答にも意外感があり、調理師学校は役に立たない、は納得しました」
“店主はいつも性悪だ!”と著者と店側との過去の仁義なき戦いを白日の下にさらし、“飲食店のわがまま慣習を法に問う”とグルメと法律をからめるなど、従来のグルメ本とはまったく異なった切り口が目を引く本書、「これまでに私が出した本のすべてを上回る最高傑作です」。