「毒蝮流!ことばで介護」毒蝮三太夫氏
おせっかいや善意の押し付けは厳禁だが、確かに笑顔で話しかけたり、気にかけるなど、かまい合いの精神が社会に広がれば、遠く離れて暮らす親もその恩恵にあずかれ、子どもとしては安心だ。
■チャーミングな年寄りになろう
そうした一方で、高齢者側にも気を付けたいことがあると著者。
「俺も今年78歳で介護される側の年齢だけど、若い人がかまいたくなるようなチャーミングな年寄りにならなきゃと思うよ。特にジジイには笑顔、こざっぱり清潔な服装、素直な気持ちになって人生を楽しもうよと言いたいね。それに寝たきりになると1人当たりの年間医療費は300万円かかるっていうから、死ぬまで健康でいることが俺たち世代の仕事。これからは寝たきり予防、医療費削減のためにも、金のかからない言葉によるかまい合い介護の時代だよ」(講談社 840円)
◇1936年東京生まれ。48年に舞台「鐘の鳴る丘」で子役としてデビュー。69年からTBSラジオ「ミュージックプレゼント」でパーソナリティーを務めるほか、NHK Eテレ「ハートネットTV」などに出演中。99年からは聖徳大学短期大学部客員教授。