「糖尿病で死ぬ人、生きる人」牧田善二著
糖尿病は血糖値さえ守っておけばいい、と思い込んでいる患者さんには驚きの連続だろう。
一番恐ろしい人工透析さえ、いまの新しい医学であれば免れるかもしれないというのだから当然だ。既に腎臓の合併症を治す薬があり、新たな薬も見つかったという。
また、失明につながる糖尿病性網膜症なども外科手術で治る可能性があると説く。
さらにがん、心臓病、脳卒中、肺炎、アルツハイマーなど糖尿病の新たな合併症に備えることで、糖尿病でも100歳までは生きることができる、というのだ。
著者は私大医学部の元教授で、都内で糖尿病専門クリニックを開設。延べ10万人の患者を診ているという。
糖尿病に苦しみ、希望を失っている人を勇気づける一冊。
(文藝春秋 750円)