「自分がバカか」がわかる本
「要は世の中をバカが動かしている、というだけの本です。そしてその人たちをバカにすることによって自分だけはバカでない、と言いたいバカを喜ばせるだけの本です。第一この著者は何様のつもりなのか?」
実に怒りが伝わってくる文章だ。基本的に同書を批判するパターンは「上から目線である」「他人をバカ扱いして何が楽しいのだ」といったものだ。だが、たいしてウマくもないチェーン寿司屋に長蛇の列ができることや、「維新」という言葉が安易に使われること、ミシュランガイドを盲信することなどに対し、「それでおまえの人生いいのか?」といった優しさを多少は包含しているのである。
故に、本書を読んでカッカする人は自分自身がまさにB層であることを認めるという、実に「踏み絵」のような本なのだ。だからこそB層以外の人にとっては痛快な書籍といえよう。★★★(選者/中川淳一郎)