時代小説でめぐる「東海道五十三次」編

公開日: 更新日:

「江戸時代中期で、東海道を往来する旅人は年間300万人はあったようです。当時の日本の推定人口は3000万人。計算すると10人に1人は東海道を歩いていたことになります。江戸-京都間は約500キロあり、旅人は平均13日で歩き通したといいますから、現代に生きる我々としては驚きですね」と著者。

 とはいえ、これは何もトラブルがなかった場合の話で、箱根の関所と大井川の渡河は最大の難所。この2カ所を無事に通過できれば、山祝い、水祝いをして喜び合ったそうだ。

 本書に収録されている作品は、いずれも主役はもちろん、脇役のキャラクターが目を引く。

「脇役として目立つ筆頭は旅芸人、盗賊、あだっぽい女すり、娘巡礼でいずれも街道を稼ぎ場とする連中です。素性の怪しい者たちを格式ばった武士の道連れにすることで、ストーリーが一段と精彩を放っています」

 確かに、こんな連中と出会ったら旅が面白くなるのは間違いない。

 著者に“東海道を知るおすすめ10作”を選んでもらった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機