「大人の極意」村松友視著

公開日: 更新日:

 高齢化社会といわれるが、かつて存在した大人の醍醐味が消えつつあると嘆く作家が、年齢を重ねることのステキさや格好よさを説いたエッセー。

 挨拶の際に求められる握手になじめないという著者。文芸誌の編集者だったとき、文壇大御所の永井龍男が見せてくれた見事なお辞儀のたたずまいなどを思い出しながら、お辞儀の美しさをわきまえたうえで、場面によって握手するという構えこそが日本人にふさわしいと説く。

 晩年の三島由紀夫やスーパースター的社会人になってからの長嶋茂雄らの笑い方を例に、大人としての自然な笑い方を会得する難しさなど、これまで出会ってきた大人の魅力を伝えてくれる人々を紹介しながら、彼らから学んだ大人の流儀を語る。(河出書房新社 760円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”