「こちら文学少女になります」小嶋陽太郎著

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 主人公は、青年向け漫画誌「ヤングビート」に配属されたばかりの新人編集者・山田友梨。根っからの文学少女だったため、入社試験を受けた際には文芸部門に配属されるよう熱心にアピールしたのだが、なぜか漫画部門の、しかも男性編集者しかいない「ヤングビート」に紅一点配属されてしまったのだ。

 納得できないまま仕事を始めたものの、いきなり担当になった大物作家を怒らせてしまい、人気シリーズを終了させてしまうことに。さらに、エージェントを通してしか連絡できない謎の覆面漫画家や、友梨と似た女を描くエロ漫画家の担当になり、次から次へと心が折れる事件がふりかかる。セクハラとパワハラの嵐が吹く職場のなかで早くも挫折しそうな友梨だったが……。

「気障でけっこうです」で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した期待の新人作家の最新作。不器用な主人公が、編集者として成長していく青春物語を、ユーモアたっぷりの軽妙な文体で描いている。(文藝春秋 1750円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

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