「アリガト謝謝」木下諄一氏

公開日: 更新日:

 とはいえ、200億円もの寄付金が集まったのはそれだけでは説明がつかない。

「根本的に、台湾人は困っている人を助けたい、という気持ちが強いんです。日本以外の国への災害にも多額の義援金を送っていますから。助けるには、お金やモノがいい、とストレートに考えるのも台湾人の特徴ですね」

 学校や街中で「1日1元。日本の被災地の人たちに愛を送りましょう」と呼びかけ、6307元(約1万8000円)をコツコツ集めた小学生たち。震災直後の東北に入り、毛布や、温かいカレーライスを作って配った日本帰りの年配の女性。日本で菓子修業し、台湾に戻って菓子会社を成功させた菓子職人は、震災直後、3日間の全社の売り上げ全額を寄付した。

 そんな市井の人々の心情や寄付活動の事例が詳細に紹介され、震災直後の台湾の様子がリアリティーをもって伝わってくる。

「当時、台湾各所であった同じような事例を組み合わせて紹介しているので、ルポではなく小説とうたっていますが、7割は事実です」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機