「仕事なんか生きがいにするな」泉谷閑示氏

公開日: 更新日:

 著者が言う主体性とは、自分がこうしたい、という純粋な欲求や考えのこと。そしてそこには喜びがある。

 消費社会の中で、我々は「役に立つか立たないか」「わかりやすいか」「面白いか」を求めるようになり、やがてそれは人に対しても求められるようになった。仕事では、人間は生産マシンのように捉えられ、会社や他人、出世のために“労働”することに価値が見いだされた。何のために働くのか、何のために生きるのか。それを考えることもできなくなったのだ。

 主体性を失った人間は、どうやって自分の人生に意味を見つければいいのか。著者は「手に入らないけど、追いかけ続けたくなるもの。つまり魂を揺さぶられることに目を向けることです」と提案する。

「21世紀前後まで、人間がなぜむなしさを抱かなかったかというと、“満たされる生活”に向かって生きてきたから。でもこの目標には終わりがありました。手にできるものだったからです。これから私たちが求めていくべきことは自分の感性を磨いていくことで、これには終わりはありません。生きる意味にもつながっていきます」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議