「平目のえんがわ」を英語では何と言う?
「英訳付き ニッポンの名前図鑑 和食・年中行事」淡交社編集局編
蕎麦屋で食事後に蕎麦湯を楽しんでいたとしよう。突然、隣席の外国人観光客から蕎麦湯が入った器を「ソレハナンデスカ?」と尋ねられたら、あなたはスラスラと英語で答えられますか。そもそも、この器、日本語で何というのだったろうかと、頭をひねってしまう人も多いのでは。
本書は、日本人として知っておきたい「和食」「食器」「年中行事」にまつわるモノ・コトの名前の図鑑。
単語だけではなく、その由来やいわれなど、日本語の解説にもその英訳が添えられている。
ちなみに蕎麦のゆで汁「蕎麦湯」が入った漆塗りの器「湯桶」は、「Sobayu Pot」。ついでに、添えられる「薬味」は「Condiment」という。
和食の世界的なブームで、もはや「酒」や「寿司」は、「Sake」「Sushi」と世界共通語になっている感はあるが、「焼酎」や「平目のえんがわ」などふだん何も考えずに使っている言葉も、いざ英訳しようとしても頭に浮かばない(前者は「Distilled Spirits」、後者は「Fluke Fin of Olive Flounder」)。
「ぶり大根」や「筑前煮」などの総菜はもちろん、ダシの材料や山菜、季節ごとの和菓子、そして「片口」や「鮫皮おろし」などの食器や調理器具まで網羅。さらに正月の門松から、お盆の「迎え火」や「月見飾り」など、年中行事に欠かせない単語まで。
どれもいざ英語で説明しようと思うと、なかなか難しい。でも、日本を訪ねてきた外国人観光客には、ぜひとも覚えて帰ってもらいたいことばかりだ。
年々増加する外国からのお客さまを「おもてなし」するための強力な助っ人になってくれるお薦め本。(淡交社 1400円+税)