近ごろよく耳にする「ポスト・トゥルース」ってなんだ?

公開日: 更新日:

「ネットメディア覇権戦争」藤代裕之著

「ポスト真実」といわれてもピンとこないが、「偽ニュース」なら分かる。真偽の定かでない情報が「ニュース」の見かけをしてネットに出回り、それに振り回されるうちに真実が置き去りにされてしまうような状況を示す言葉が「ポスト真実」だ。

 法政大でジャーナリズムを教える著者は、もともと地方紙でサツ回りから鍛えたジャーナリストだが、ソーシャルメディア時代にいち早く対応し、偽ニュース問題にも注目してきた。

 新聞社から情報ポータルサイトの運営企業に転職して直面したのは「新聞記者が力を入れる硬いニュースは読まれない」という赤裸々な現実。重要な国際問題の「コソボ独立」でさえ芸能ニュースの50分の1しか読まれなかったと振り返るネットニュースの最初期、新聞各社が対応に戸惑う一方、ヤフーは「新聞少年」を自称し、通信社や新聞社のニュース配信を受けながら独自の実績を積んでいった。ヤフーとの提携は新聞社にとって「毒入りまんじゅう」のようなものだったともいうが、現場のネットニュース担当者の地道な努力にも注目。

 新旧のネットニュース編集者に取材し、ネット時代の実像に迫っている。(光文社 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末