近ごろよく耳にする「ポスト・トゥルース」ってなんだ?

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「『ポスト真実』時代のネットニュースの読み方」松林薫著

 ネットの出現はジャーナリズムの世界を揺るがせた。かつてマスコミは一方的にニュースを流す立場だったが、いまでは末端の読者・ユーザーが自由に「ニュース」を発信し、しかもその中にしばしば意識的・無意識的な誤報や偽情報が混じるのだ。「メディアリテラシー」は情報を見分ける力で原義は「読み書き能力」。昔はプロの記者や編集者以外は「読む力」だけでよかったのだが、万人が「情報の送り手」になれる時代には、誰もが自分が流す情報の真偽を見分ける力が必要になる。

 ところが、実際にはトランプ大統領のように、自分の言いたいことだけをツイッターで発信し、気に入らない情報は頭から「偽ニュースだ!」とわめくような嘆かわしい状況になったのだ。元日経記者の著者は、記者の訓練を例に「報じる側」と「報じられる側」両方の視点の重要性を説いている。(晶文社 1600円+税)

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