「スナック研究序説 日本の夜の公共圏」谷口功一氏

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 たかが水商売と軽視しがちだが、地元コミュニティーにおけるスナックの機能は計り知れないという。再開発の真実、選挙の裏側、不審者情報や事件の経緯などの警察情報に、病院の良し悪しなど、地域情報は、スナックでこそ入手可能なのだ。

「スナックのすごいところは水平化機能。社会的・経済的身分に関係なく、どんなに偉い人でもスナックに入ればただの客。威張るやつや自慢話するやからは嫌われますしね。英国のパブはスナックに近いように見えるけれど、身分階級別です。上流階級が行く店と労働者階級が行く店は違う。日本のスナックは階級分断がない。家でも職場でもない、いわば『サードプレース』なんですよ」

 スナックと聞くと、場末感とやさぐれた年配ママのいぶし銀営業をつい想像してしまうが、最近はやりの店は異なるそう。

「20代後半~30代前半の美人ママの店も台頭していますよ。昔のようにヤクザにぼったくられるような店はほとんどありません。いい店の見極め方? 外観もママもキレイな店かな。でも入ってみないと分からないところがいい。扉を開けたら宇宙が現れる。それがスナックの醍醐味です」(白水社 1900円+税)

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