新聞社を定年後、ノンフィクション作家として活躍していた著者は、昨春、駅構内で脳梗塞を発症。緊急搬送され、九死に一生を得た。
実は、55歳から、胃がんをはじめとする各部のがんの多発や、腎臓病や心臓病などを乗り越えてきたという。その14年間をつづった壮絶な闘病記。
天地が割れるように感じ、次第に意識が薄くなっていったという脳梗塞で倒れる瞬間の症状から、病後の経過、そして後遺症への不安を抱きながら日常生活に戻るまでを詳述。一方で、単身赴任先でのがんの発見から、本書を書き終えたばかりの定期検診で発覚した新たながんの発症まで。がんと向き合う日々を記録する。
(講談社 840円+税)