「時代小説で旅する東海道五十三次」岡村直樹著
時代小説を道しるべに東海道とその宿場を紙上で巡る旅ガイド。
旅のはじまり、日本橋では林真理子著「本朝金瓶梅 お伊勢篇」を取り上げる。中国の「金瓶梅」を基にした本作は、不能になった艶福家の慶左衛門が、噂の強精剤を求めて妾や人妻を連れて、東海道を西上する道中を描く。そのあらすじや、読みどころを紹介するとともに、「七つ時(午前4時)」という早朝の旅立ちが一般的だったという当時の旅や、日本橋の歴史なども解説。保土ケ谷は池波正太郎著「雲霧仁左衛門」、岡部は笹沢左保著「帰って来た紋次郎」、そして大佛次郎著「鞍馬天狗 鞍馬の火祭り」の京都・三条大橋まで。
ブックガイド、そして街道歩きの道案内としても楽しめるおすすめ本。
(講談社 1200円+税)