「山口組三国志 織田絆誠という男」溝口敦著
2015年、日本最大の暴力団、山口組から井上邦雄が脱退して神戸山口組を立てたが、2017年、その神戸山口組から織田絆誠が分派し、任侠山口組を結成した。井上が山口組を脱退したのは、6代目司忍率いる山口組が多額の上納金を徴収し、出身組織をひいきし、進言、諫言(かんげん)を聞かないためだった。
ところが、神戸山口組も同じことを行ったため、織田は「大義」が失われたとして任侠山口組を結成したと語る。ふたつの山口組を最終的に合一するのが前提である。「任侠団体」とつけたのは、最終ゴールが「脱反社(反社会的勢力)」だからだ。
織田代表とのインタビューを中心に、ヤクザ取材を集大成した一冊。
(講談社 1600円+税)