「大人の道徳 西洋近代思想を問い直す」古川雄嗣著
2018年度から「道徳」が小中学校の「教科」になった。小学校では国語・算数・理科・社会を学ぶが、それは、学校では物事を論理的、合理的、科学的に考える訓練をさせなければいけないからだ。最も論理的で合理的なのが数学だが、人間の言葉で物事を論理的に考える訓練をするのが国語である。
「道徳」も同じで、これまで伝統的に「正しい」と信じられてきた「宗教的な価値観」や「慣習的な規範」に従うのではなく、「合理的」な道徳を学ばなくてはいけないのだ。実は自分の「やりたいこと」に逆らって「やるべきこと」をやるのが人間の「自由」なのだ。
「道徳」をゼロから考えるための一冊。
(東洋経済新報社 1600円+税)