欧州で拡大が懸念されているコレラ感染源はエチオピアの「聖なる井戸」の水だった!
エチオピアにある「聖なる井戸」の水が原因で、欧州からの観光客7人がコレラに感染し、感染拡大が懸念される事態となっていたことが明らかになった。
今年2月、ドイツで3人、英国で4人が相次いでコレラに感染し、欧州保健当局が緊急調査を行ったところ、感染者のうち5人が約1カ月前にエチオピア北西部クアラ地区にある「ベルメル・ゲオルギス」という聖なる井戸を訪れていた。
聖ゲオルギウスにちなんで名付けられたこの井戸は、キリスト教エチオピア正教会の信者にとっての聖地で、多くの巡礼者が、その水を飲んだり洗顔したりして「癒やしの力」を得ようとする。感染者たちも同様に井戸の水を使い、中にはペットボトルに水を入れて持ち帰り、帰国後に他人と共有したケースもあったという。
その後まもなく、激しい下痢や嘔吐など、典型的なコレラの症状を発症。検査の結果、聖水を持ち帰ったボトルから「コレラ菌(ビブリオ・コレラ)」(写真はイメージ)が大量に検出された。
欧州感染症監視機関が発表した調査報告によると、検出された菌の数は非常に多く、さらに悪いことに、このコレラ菌は多くの抗生物質に耐性を持っていた。幸い、テトラサイクリン系抗生物質が有効で、全員が回復したという。