ビデオジャーナリストの伏見が住む町でかつて陶芸教室を開いていた青柳が孤独死。当初、警察は自殺とみていたようだが、伏見は現場の壁に「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」との落書きが残されていたと知る。周辺では「生物」や「体育」の時間を始めると称して、不穏なイタズラが続いていた。そんな中、謹慎中の伏見は知人の田辺に呼び出される。伏見は田辺から、若い女性映画監督の越智を紹介される。越智は、13年前の殺人事件のドキュメンタリー映画を撮影する予定で、伏見にカメラを担当してほしいという。
第61回江戸川乱歩賞受賞作。選考会が紛糾した問題作をリニューアルした完全版。
(講談社 800円+税)